1-2:コーヒーのお膳立てをしてみる(後編)



さて、長々話しているうちに豆が挽けましたよ。
本来木から手で摘んで、豆の焙煎から始めたいところですが、
そこまでしてしまうと日が暮れてしまいますので。
餅は餅屋、その辺はプロのカタヤマ氏から豆を分けてもらうことにしました。
何も間違えていない、すばらしい判断でしょう。

もっとも電動しかり手回ししかり、ミルというものを所持していない時点で上の文書は嘘八百ですが。
マスター、挽いてください。

果たして、彼の店でハンドドリップセミナーを受講して以来、
スプーンの柄で細く湯を出すのがある種の技術として手に染み付いた私であります。
そんな事言ってないでドリップポットを買え、という意見もありますな。
全く、無いもの尽くしであります。



いま、細心の注意を払ってドリップ・ポットに黒々とした液体が満たされました。
見てこのアロマ(見えません)
ところで話は変わりますが、私自然石の中でも一等好みなのが『ブラック・オニキス』でありまして。
さしたる根拠も無いと思っていたのですが、言われてみればコーヒーの色と似ているようないないような。
もっとも、ここまで黒いと胃に悪そうだと指輪を眺めながら気がつきました。
聳え立つのは二つの塔、ちなみに石言葉は『潜在能力』です。

さてここで暖めておいたカップに注ぎましょう、と思ったのですが、
貴方は果たしてどの様なカップを好まれますでしょうか。

得てしてコーヒーカップは分厚く、どっしりした物が好まれる傾向にありますが、
大事なのは口に当たる縁の部分と伺いました。
縁が丸いとソフトな、薄いとソリッドな口当たりになるそうで、
もちろん材質や保温の関係もありますが、
やはりティーカップでコーヒーを飲むとひときわ苦く、刺激的に感じるものです。
これも受け売りですがね。

ちなみに私が愛用しているのは『ファイヤーキング』のマグカップ。
1980年にはすでに生産を終了している、まあブランドでして、
本国アメリカでは入手困難。
古物、もしくはデッドストック品が現在出回っておりますが、
私の所持しているものは刻印(バックスタンプ)を見るにどうやら会社解散後、
合併された企業の元で生産された品の様です。
(すなわち、どちらかといえばパチモノですか)
ちなみにこれは分厚いガラス製です、ジェダイよりターコイズブルーが好きです。

薀蓄多いな。
ここがアウトドアならアルミのマグでも格好が付くでしょうし、仕事明けなら容量重視で考えます。
まあ、デミタスカップを使う理由はありません、エスプレッソじゃないから。
『貴方だけに』という語源には惹かれるのですが、手で圧力をかけるわけにも行きません。
家庭用エスプレッソマシンもまた、ない。



ここは一つ、私にしては珍しく雑貨屋で衝動買いしたマグともカップとも付かない一品に御登場願いましょう。
表面は黒くて内側が白い、
飲み口から覗き込んだらゾウの絵が書いてあるお気に入りの品です。
テイスティングにも向いているし、適度な厚みでさめにくい。
問題点を挙げるなら若干小さめであることですか。
5杯6杯とあけていただければ、わんこそばのように。

嗚呼失礼、砂糖とミルクを忘れていました。
ところで亡くなった私の祖父はナカナカの粋人でして。
子供心に覚えている彼の朝食はトーストとコーヒー、
どちらも蜂蜜をたっぷりと加えていました。

ところで先日読んだ本にコーヒーの花からとった蜂蜜なるものがありましたが、
アレはコーヒーに合うのか否か、試してみたいところであります。

───あわせる茶菓子はチョコレートか焼き菓子か、難しい質問ですな。



とめどなく話は続いてゆくわけですが、
散々考えましたところどうにも私流のコーヒーの興じ方というのはコミニュケーションの土台、
というところが大きいようです。
なんだか一周して戻ってきた感じがしますが、
マンツーマンで語り合うのがサービスだというのなら確かに私は飲食業に向かない気がする。
かつてより随分衰えた感じがしますが、コーヒーをはさんで差し向かったならば、
知識を駆使して話題を盛り上げようかと。
あと、かつてより少しは聞き上手になれたと思いますので、どうぞたわいも無い話を聞かせて頂きたい。

───どこの世界にも、カフェの席では話の花が咲くように。

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